「市民と法」に「民法918条2項に基づく財産管理人の活用(理論編)」が掲載されました。

「市民と法」112号に、拙稿、「遺産承継業務・静岡モデル(5)民法918条2項に基づく財産管理人の活用(理論編)」が掲載されました。

ちょっとだけ、出だしの部分を紹介します。

 本誌108号から始まった「遺産承継業務・静岡モデル」の短期集中連載は、静岡県司法書士会あかし運営委員会 の研究成果として、司法書士法施行規則31条(以下、「規則31条」という。)を拠り所としない遺産承継業務の理論と実務を紹介している。
そして、前号までで、司法書士が行う遺産承継業務の内容とその法的根拠、遺産承継業務の受任形態、利益相反問題、相談の在り方について解説を行ってきた。
 とりわけ、本誌108号では、遺産承継業務は、①遺産の調査・相続人の確定(以下、「調査業務」という。)、②遺産分割、③協議結果に基づく名義変更(以下、「執行業務」という。)の三段階に区分できること、司法書士は、遺産分割調停申立書の作成業務を除き、②の遺産分割へ関与することはできないこと、司法書士業務は、①「本来的業務」(司法書士法3条所定の業務)、②附帯業務としての規則31条所定の業務、③規則31条で規定されていない附帯業務の3つに大別でき、調査業務及び執行業務はこのうちの③に該当することの解説を行った 。
このように、司法書士は遺産承継業務受任者の立場では遺産分割に関与することはできない。しかしながら、一方では、何らかの事情で相続人の一部または全部が相続に関わろうとせず、またはそれが期待できないために、相続財産が散逸したり、相続人、第三者又は利害関係人の利益が損なわれる事態が生じる場合がある 。
 このような場合、司法書士が他人の財産の管理若しくは処分を行う業務を行うことが許容される地位に就くことができれば、相続財産の管理処分を適切に行い、又は、円滑に相続人に財産を引き継ぐ役割を担うことが可能となる(規則31条1号) 。
 本稿は、このようなケースにおいて、民法918条2項の規定にもとづいて選任される相続財産管理人(以下、「918条財産管理人」という。)の活用を提言するものであり、相続財産管理制度における918条財産管理人の位置づけとその権能について考察を行うものである。また、成年被後見人の死後事務として行使することができる成年後見人の権限(民873条の2)との関係についても検討しておくこととする。
 なお、918条財産管理人を利用した具体例については、本誌次号「民法918条2項にもとづく相続財産管理人の活用(実践編)」で紹介する予定である。

このあとは、「市民と法」を購読して読んでください。

「市民と法」:「身近な街の法律家」としての使命と役割を担う司法書士の方々に対して、日々の実務の必須知識や指針を提供し、さらには自らが蓄積した知識や情報、業務の現状に対する問題提起や司法書士制度の将来展望を考察し、提言・発表する場でもある総合法律情報誌!

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
司法書士法人中央合同事務所(浜松市中区中央2-12-5)。最近、農業にはまってい る (本人は「農業」と言っているが、一般的には「家庭菜園」と呼ばれている)。耕運機まで所有するなど、道具は一人前だが野菜のできはイマイチ。本人は、異常気象だとか、土が悪いとか、品種が悪いなどと言って、決して自分の腕が悪いことを認めようとしない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。