父親が、公益目的の法人への寄付をする遺言書をのこしたいと言っております。公証人役場では認知症になると遺言書の作成が出来ないと聞きましたが本当でしょうか

父親が、公益目的の法人への寄付をする遺言書をのこしたいと言っております。公証人役場では認知症になると遺言書の作成が出来ないと聞きましたが本当でしょうか

 認知症と一口に言っても色々な段階がありますので、軽度の認知症であれば通常の方式(公証人の面前で口授・証人2名の立会い)で公正証書遺言を作成することも可能です。本人の判断能力について医師の診断書を取得したうえで、公証役場に相談してみると良いでしょう。

 認知症の症状が進んでいて本人が成年被後見人であった場合でも、判断能力が一時回復する時があるような方でしたら、判断能力が回復した時に医師2人以上の立会いにより遺言書を作成するという方式(民法973条)もありますので、こうした方式についても公証役場と相談してみたら良いでしょう。

実家を継いでいた伯父(父の兄)が亡くなりましたが、伯父は結婚しておらず子供もありません。そのため、祖母(伯父の母)が相続人となるようですが、祖母からは、私に実家を継いで欲しいので、私が相続するように言われました。父も健在なのですが、伯父から私に直接相続することはできるのでしょうか

実家を継いでいた伯父(父の兄)が亡くなりましたが、伯父は結婚しておらず子供もありません。そのため、祖母(伯父の母)が相続人となるようですが、祖母からは、私に実家を継いで欲しいので、私が相続するように言われました。父も健在なのですが、伯父から私に直接相続することはできるのでしょうか

 相続ができる人は法律で定められており、配偶者が常に相続人となるのに加え、第1順位が子(子が先に亡くなっている場合は孫)、第2順位が尊属(父母・祖父母のうち親等の近い者)、そして第1・2順位の者がいない場合に兄弟(兄弟が先に亡くなっている場合は甥姪)となります。

 今回は、祖母(被相続人の母)が健在ということで、甥であるあなたは相続人ではありませんので、いったんは祖母に相続してもらう事になります。その後、甥であるあなたの名前に変えるために、祖母からあなたに生前贈与してもらうか、祖母に遺言書を遺してもらうかどちらかになるでしょう。

先日、お寺を改修するとのことで、寄付金を請求されましたが、支払う義務があるのでしょうか?最近、景気が悪いため、断りたいのですが…

先日、お寺を改修するとのことで、寄付金を請求されましたが、支払う義務があるのでしょうか?最近、景気が悪いため、断りたいのですが…

 寄付とは、公共的な慈善目的のために財産を無償で譲渡する行為であり、法的には贈与の一類型ということになります。本来、寄付者が自らの意思に基づいて行うものであり、強制されるものではありませんので、断ることも可能です。

 寄付金を請求しているのが寺(宗教法人)自体であれば、住職にあなたの現状を説明して断れば良いでしょう。

 一方、(檀家で組織する)護持会が寄付金を請求しているということも考えられます。その場合でも、寄付であれば断ることも出来るはずですので、総代とか世話役といった方と話してみたら良いでしょう。また護持会の総会で議案にあがっている段階でしたら、総会に参加して説明を聞くなり、反対意見を述べることも大事かと思います。

「“法定相続情報一覧図の保管及び交付申出書”あるいは“法定相続情報一覧図”に誤りがあった場合の訂正はどのようにすればよいですか」に回答しました。

“法定相続情報一覧図の保管及び交付申出書”あるいは“法定相続情報一覧図”に誤りがあった場合の訂正はどのようにすればよいですか

 申出人あるいはその代理人において訂正することになります。

 法定相続情報一覧図の保管及び交付申出書を訂正する場合は、訂正箇所に傍線を引いたうえ欄外に「〇字削除〇字加入」と記載して訂正する方法(いわゆる見え消しの方法)が一般的と考えられます。

 一方、法定相続情報一覧図を訂正する場合には、上記のような訂正方法は認められず、訂正後のデータを印刷して再提出するか、修正テープ等により訂正しなければなりません。これは、提出した法定相続情報一覧図の記載内容がそのまま法定相続情報証明書の記載に反映するためだと考えられます。

「法定相続情報に変動や誤りがあった場合は、どうすればいいですか」に回答しました。

法定相続情報に変動や誤りがあった場合は、どうすればいいですか

 法定相続情報に変動や誤りがあった場合、変更・更正等の特別な手続は予定されていませんので、これを訂正等する目的で「再度の申出」をすることになります。この場合には、訂正前の法定相続情報一覧図の写しは交付されなくなります。

「法定相続情報一覧図が登記所に保管されている間に、もう一度申出をすることはできますか」に回答しました。

法定相続情報一覧図が登記所に保管されている間に、もう一度申出をすることはできますか

 法定相続情報一覧図が登記所に保管されている間であっても、法定相続情報に変動や誤りがあった場合は、再度の申出をすることが可能です。例えば、死後認知や廃除などがあった場合は、再度の申出をすることにより法定相続情報一覧図を訂正することになります。

 なお、最初に提出した戸除籍謄抄本等は法務局に保管されていませんので、改めて全ての戸除籍謄抄本等の添付書類を提出する必要があります。

「相続人の中に相続放棄をした者があった場合でも、申出はできますか?また、申出が出来る場合には、法定相続情報一覧図の内容はどうなりますか」に回答しました。

相続人の中に相続放棄をした者があった場合でも、申出はできますか?また、申出が出来る場合には、法定相続情報一覧図の内容はどうなりますか

 相続人の中に相続放棄をした者があった場合でも、法定相続情報一覧図の保管交付等の申出は可能ですし、この事は相続放棄の事実が登記官に明らかであっても変わりありません。

 法定相続情報一覧図の写しは、あくまで戸除籍謄本等の記載に基づくものであり、相続放棄等の情報は記載されませんので、相続の手続きを行う場合には法定相続情報一覧図の写しとあわせて相続放棄があった事を証する書面等を提出してもらうことになります。

揉めている場合の預金の解約と管理口座の開設について回答しました。

死亡した父の預金口座を解約して葬儀費用を支払いたいのですが、相続で揉めており、兄が預金の解約に反対しています。兄の協力がなければ預金を解約することはできないのでしょうか。また、兄は預金したお金を誰かのものにするのではなく、相続についての一時的な管理費用として別口座で管理するのなら協力するとも言っています。一時的な管理費用の別口座にするにはどうすればいいのでしょうか。

 銀行の預金口座は、口座名義人が死亡すると凍結されて入出金ができなくなります。これは、死亡により相続が開始し、故人の遺産は相続人全員の共有財産となるからであり、相続人全員の協議(遺産分割協議)により誰が相続するかが決まらないと出金ができなくなります(CF:最判平成28年12月19日)。
 ただし、葬儀費用の支払いは、遺産分割協議の成立を待てないことも多いため、金融機関によっては、葬儀社の見積などを確認のうえ葬儀費用分の出金を認めてくれる場合もあるようですので、該当の金融機関に相談してみたらどうでしょう。

 また、一時的な管理費用の別口座を作る場合、相続人の1名が代表して管理することになりますが、自身の資産との混在を避けるためにも口座名義に肩書を付して作成されたほうが良いでしょう。金融機関によって取扱が異なりますが、事情を説明すれば「亡△△相続用預り口〇〇〇〇」などの肩書を付して口座開設してくれる場合もありますので、相談してみるとよいでしょう。