実家の登記名義が、他界した祖父の名義のままとなっています。祖母は健在ですが、認知症がひどく施設に預けています。長男で祖父母と同居していた父も3年前に他界しました。父と母はだいぶ前に離婚しましたので、実家には父が一人で暮らしていましたが、父の他界した後、近所に住む叔父が「防犯のため」という理由を付けて実家の権利書を持ち出してしまったようです。勝手に叔父に名義変更されないか心配なのですが・・・

実家の登記名義が、他界した祖父の名義のままとなっています。祖母は健在ですが、認知症がひどく施設に預けています。長男で祖父母と同居していた父も3年前に他界しました。父と母はだいぶ前に離婚しましたので、実家には父が一人で暮らしていましたが、父の他界した後、近所に住む叔父が「防犯のため」という理由を付けて実家の権利書を持ち出してしまったようです。勝手に叔父に名義変更されないか心配なのですが・・・ 

 権利書を持っているだけで登記名義の変更ができるわけではありません。

 ご質問のケースでは、「祖父」と「父」のお二人について遺産分割協議をし、その結果を書面にまとめて“関係者”全員が実印を押印し、印鑑証明書も添えて法務局に名義変更の申請をしなければ、登記名義を変更することはできません。

 「祖父」の遺産分割協議について“関係者”とは、は「祖母」と「父」と「父」の兄弟全員です。もっとも、「父」も他界していますので、「父」の相続人であるご質問者とその兄弟全員が、「父」に代わる遺産分割協議の“関係者”となります。

 また、認知症の「祖母」が遺産分割協議をすることはできません。「祖母」のために家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうなり、「祖母」が他界した後に改めて協議をするなりせざるを得ませんので、「祖父」の遺産分割協議は簡単には進みそうにないですね。

 以上のとおり、登記名義を変更するには関係する相続人全員の関与が求められますので、ご心配するような事態は生じません。

(文責 中里 功)

私には身寄りもないので、遺産はなにか公共のために役立ててもらいたいと考えています。遺言も遺しておこうと思いますが、具体的にどのような団体に寄付をすればよいのか分かりません。確実に寄付ができるようにするには、どのようにすればよいでしょうか

私には身寄りもないので、遺産はなにか公共のために役立ててもらいたいと考えています。遺言も遺しておこうと思いますが、具体的にどのような団体に寄付をすればよいのか分かりません。確実に寄付ができるようにするには、どのようにすればよいでしょう

 遺言に具体的な寄付先が特定できればよいのですが、ご質問のようなケースでは遺言執行者を指定しておき、具体的な寄付先を遺言執行者に委ねる方法も一つの方法です。

平成5年1月19日の最高裁判例は、「すべてを公共に寄与する」と書かれていた遺言の有効性が争われた裁判例でしたが、寄付先が特定されていない点について裁判所は「遺言執行者が受遺者(筆者注・寄付先のこと)として特定の者を選定することをゆだねる趣旨を含む」と判断しました。

 つまり、どこへ寄付するのかは遺言執行者が決めればよいという意味ですね。

 なお、遺言執行者が実際に職務を行うに際しては法律の規定にしたがう必要がありますので、司法書士のような法律の専門家を指定しておくべきです。

 また、「公益財団法人ふじのくに未来財団」のような団体を寄付先に指定しておくのも有効な方法のひとつです。この財団は実際に公益活動に従事している複数のNPO法人と提携関係にあり、公益目的で寄付を受けた財産を、寄付者の希望や目的に適う活動を進めるNPO法人に助成することで、その活動を支援することに取り組んでいる団体です。

 したがって、この財団を寄付先に指定しておけば、具体的な運用はすべて財団が担ってくれることになるわけです。

 詳しくは、同財団のウェブサイトをご参照ください。

 父の遺産を整理していたところ、仮登記済権利証というものが出てきたため、法務局で調べたところ、山間の他人の農地に、父が、25年前に農地法第5条の許可を条件とする条件付所有権移転仮登記をしていたことがわかりました。よくよく調べてみると、当時の売買契約書や20万円の領収書もでてきました。しかし、母に聞いてもその土地のことは全く知らないとのことでした。今後、どのようにしたらいいでしょうか。

父の遺産を整理していたところ、仮登記済権利証というものが出てきたため、法務局で調べたところ、山間の他人の農地に、父が、25年前に農地法第5条の許可を条件とする条件付所有権移転仮登記をしていたことがわかりました。よくよく調べてみると、当時の売買契約書や20万円の領収書もでてきました。しかし、母に聞いてもその土地のことは全く知らないとのことでした。今後、どのようにしたらいいでしょうか。

 農地を購入して購入者名義で登記するには農業委員会の許可が必要ですが、農家資格のない方が許可を得られるケースは限定されており、許可を得ることが困難なケースは少なくありません。このような場合に、ご質問にある「仮登記」を利用しておくことがしばしば見受けられるのですが、文字どおり「仮」の登記にすぎませんので、購入者が正式に登記名義人となったわけではありません。これが、今の状態です。

 この状態から「本登記」、つまり正式な登記名義人とするためには、二つの方法が考えられます。
  ひとつは、農地法の許可が得られる条件を模索することですが、現実的にはハードルがとても高いです。
  そこで検討したいのが「時効取得」という方法です。
 購入者であるお父様が売買契約を締結して代金全額を支払った日から20年間、この農地を継続して使用・管理してきた事実が認められれば、農地法の許可を得ることなく「本登記」ができます。

 時効取得が認められるためには、購入から現在に至るまで、この土地をどのように使用・管理してきたのかを具体的にお伺いする必要があります。この状況如何では、20年間経過していたとしても時効取得が成立しないこともあります。
 また、本登記の手続きには、当時の売主(この方が亡くなっていればその相続人全員)の協力を得る必要があります。協力が得られなければ裁判手続きを利用する必要もあります。専門的な知識や手続きが必要となりますので、まずはお近くの司法書士、または県司法書士会の相談センター(電話・054-289-3704)へご相談ください。

「死亡とみなされる日」???

戸籍を見ると、こんな記載に遭遇することがあります。
これは、「失踪宣告」によって死亡の取扱いを受けることになった方であることを示しています。

長期の行方不明であったり、災害や事故で遺体が発見されないままの方など、役所に死亡届を提出できないケースでは、戸籍上はいつまでも生存していることとなり、相続手続きも進行することができません。

そこで、一定年数の経過により「法律上死亡したものとみなす」制度があり、これを「失踪宣告」と呼んでいるのです。

昨年の10月に申立てをした事案は、今年の7月にようやく「死亡とみなされる日」が戸籍に記載され、解決に至りました!

私の両親は内縁関係です。亡くなった父の遺言書には「●●(私の名前)が墓守をしろ」と書かれていました。今般、父を追うように母も他界したため、父と同じお墓に母の遺骨を納めようとしたところ、戸籍上の妻とその子らから猛反対を受け困っています。内縁の妻という立場では、父と同じお墓に納骨できないのでしょうか

私の両親は内縁関係です。亡くなった父の遺言書には「●●(私の名前)が墓守をしろ」と書かれていました。今般、父を追うように母も他界したため、父と同じお墓に母の遺骨を納めようとしたところ、戸籍上の妻とその子らから猛反対を受け困っています。内縁の妻という立場では、父と同じお墓に納骨できないのでしょうか

 「墓守」とは、法律上は「墓地使用権」と解釈できます。墓地使用権は、一般の遺産とは異なる祭祀財産に該当します。祭祀財産の承継者は民法という法律で特別の定めが置かれており、通常の相続とは取扱いが異なる点に注意が必要です。

 故人が祭祀財産の承継者を指定した場合、指定を受けた者が祭祀財産を承継することになります(民法897条1項)。遺言書に「●●が墓守をしろ」と記載されていることにより故人の意思が確認できますので、墓地使用権はあなたに帰属しているといえます。

 戸籍上の妻やその子は通常の遺産についてはあなたと同じ相続人となりますが、祭祀承継者ではありませんので、あなたの意向によってお墓にどの遺骨を納めるかを決めることができるのです。あなたのお母さんが内縁の妻であり相続権がないことは、ご質問のケースでは何の影響も受けません。

法定相続情報一覧図に在外日本人の住所を記載するには

相続人が子ども二人でパキスタンとスイスに在住していました。
法定相続情報証明に住所を記載してもらうためには、どうすればよいでしょう?

在外者の場合、住民票が発行されません。
代わりに、現地の日本領事館で「在留証明書」というものを発行してもらうことができます。
この「在留証明書」には、現地の住所地が、日本語表記と現地の母国語表記により併記されていますが、法定相続情報証明に記載される住所は日本語表記に限定されますので、
提出する一覧図には、在留証明書に表示された日本語表記をそのまま転写します。

ちなみに、この在留証明書は相続登記にも利用できます。
登記記録上の住所も、法定相続情報証明と同じように、現地の住所地が日本語表記により登記されることになるのです。
 

投資信託の相続手続

 銀行預金の相続手続きには、①解約して払戻しを受ける方法、②名義変更をする方法のいずれかが選択できますが、実務上は①の方法で処理されることが多いようです。
 私が依頼されたケースでも、全件①の方法で処理してきました。

ところが、同じ銀行に預金と投資信託の取引がある方の場合、単純に「すべて解約」というわけにはいかないようです。
「なぜそうなるのか」の詳細までは分からないのですが、投資信託の場合、手続上、相続する方に一旦は名義変更をしなければならないようです。

 今回は遺言執行をする過程で何件かの金融機関に投資信託取引の存在が判明したのですが、いずれの金融機関も「預金は解約できますが、投資信託の解約を希望する場合、名義変更後に相続を受けた相続人自身から解約の手続きを行ってください」との回答を受けましたので、このような取扱いで間違いないようです。

 預金のように解約が可能であれば、遺言執行者なり遺産承継受任者なりの立場で、私たち司法書士がすべての手続きを完了させることができるのですが、名義変更となると、金融機関側で新たな名義人となる相続人の本人確認が必要となるため、なんらかの場面でご本人担っていただかなければならない作業が出てきます。

「すべてお任せ!」というわけにはいかない場面もあることを勉強しました。

頼母子講(たのもしこう)の抵当権抹消

山林の相続登記などを頼まれると、かなりの割合で明治・大正時代の古い抵当権が登記されたまま放置されているケースに遭遇します。

今のように銀行や貸金業者が田舎の方まで広まっていない時代には、部落の庄屋さんや地主さんなどが生活資金の貸付けという銀行の役割を担っていたり、あるいは部落の住民が定期的にお金を出し合って積立てをし、まとまったお金が必要になった方に融通する「頼母子講」などと呼ばれる組織があり、そのような貸付けの際に山や畑に抵当権を登記していたものが、いつまでも抹消されずに放置されているんです。

このような抵当権を見つけたら、放置せず、後回しにもせず、その場で抹消登記をしておきましょう! 要件に合致すれば簡易な方法で抹消することもできますよ!!

法定相続情報FAQの「相続人である子が、被相続人の死亡後に他界したため、孫が相続人となる場合の記載方法は?」の回答を修正しました。

法定相続情報FAQの「相続人である子が、被相続人の死亡後に他界したため、孫が相続人となる場合の記載方法は?」の回答を次のように修正しました。

 一次相続が発生した後に一次相続の相続人に二次相続が発生したようなケースです(「数次相続」とよびます。相続人である子が、被相続人の死亡前に他界した場合と場面が異なりますので、ご注意ください)。

 「法定相続一覧図」は、被相続人お一人ごとに作成しなければならないこととされていますので、数次相続が発生している場合に1通の「法定相続一覧図」にまとめることは認められません。したがってこの場合は、亡くなられた人ごとに「法定相続一覧図」を別個に作成する必要がある点にご注意ください。

 なお、一次相続の相続人に二次相続が発生していても、死亡した相続人の死亡年月日を記載した法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出はできません。これは、法定相続情報一覧図は、戸籍等の記載から判明する、被相続人の死亡時点における同順位の相続人(の氏名、生年月日、続柄)を表すものだからです。

注)
 一次相続の相続人に二次相続が発生している場合、死亡した相続人の死亡年月日を記載することができるかどうか明かではありませんでしたが、法定相続情報一覧図は被相続人が死亡した時点の相続人が誰であるかを証明するものであることから、その後に発生した二次相続は法定相続情報証明の制度上、一覧図に記載すべきではないという考え方が実務上明らかになってきました。従前は、回答の中で、死亡した相続人の死亡年月日の記載も可能との考え方を示していましたので、これを修正しました。 

会員専用ページに「相続登記完了後の金融機関への案内用」の書式を掲載しました。

作者:父母会会長
形式:doc
相続登記をした物件に住宅ローンを担保するための抵当権が設定されているケースは多いです。その多くは団信により完済されており、抹消登記をしなければなりません。
また、住宅ローンを利用している金融機関には被相続人の預金口座もあるでしょうから、この解約・払戻しのために法定相続情報一覧図が利用できます。
この案内の際に、ついでに会の無料説明会も案内できないかと思い、起案してみました。
皆さんで使ってもらえると、説明会のオーダー数も激増するかも!
ゲリラ作戦にご協力ください!!

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