投資信託の相続手続

 銀行預金の相続手続きには、①解約して払戻しを受ける方法、②名義変更をする方法のいずれかが選択できますが、実務上は①の方法で処理されることが多いようです。
 私が依頼されたケースでも、全件①の方法で処理してきました。

ところが、同じ銀行に預金と投資信託の取引がある方の場合、単純に「すべて解約」というわけにはいかないようです。
「なぜそうなるのか」の詳細までは分からないのですが、投資信託の場合、手続上、相続する方に一旦は名義変更をしなければならないようです。

 今回は遺言執行をする過程で何件かの金融機関に投資信託取引の存在が判明したのですが、いずれの金融機関も「預金は解約できますが、投資信託の解約を希望する場合、名義変更後に相続を受けた相続人自身から解約の手続きを行ってください」との回答を受けましたので、このような取扱いで間違いないようです。

 預金のように解約が可能であれば、遺言執行者なり遺産承継受任者なりの立場で、私たち司法書士がすべての手続きを完了させることができるのですが、名義変更となると、金融機関側で新たな名義人となる相続人の本人確認が必要となるため、なんらかの場面でご本人担っていただかなければならない作業が出てきます。

「すべてお任せ!」というわけにはいかない場面もあることを勉強しました。

頼母子講(たのもしこう)の抵当権抹消

山林の相続登記などを頼まれると、かなりの割合で明治・大正時代の古い抵当権が登記されたまま放置されているケースに遭遇します。

今のように銀行や貸金業者が田舎の方まで広まっていない時代には、部落の庄屋さんや地主さんなどが生活資金の貸付けという銀行の役割を担っていたり、あるいは部落の住民が定期的にお金を出し合って積立てをし、まとまったお金が必要になった方に融通する「頼母子講」などと呼ばれる組織があり、そのような貸付けの際に山や畑に抵当権を登記していたものが、いつまでも抹消されずに放置されているんです。

このような抵当権を見つけたら、放置せず、後回しにもせず、その場で抹消登記をしておきましょう! 要件に合致すれば簡易な方法で抹消することもできますよ!!

法定相続情報FAQの「相続人である子が、被相続人の死亡後に他界したため、孫が相続人となる場合の記載方法は?」の回答を修正しました。

法定相続情報FAQの「相続人である子が、被相続人の死亡後に他界したため、孫が相続人となる場合の記載方法は?」の回答を次のように修正しました。

 一次相続が発生した後に一次相続の相続人に二次相続が発生したようなケースです(「数次相続」とよびます。相続人である子が、被相続人の死亡前に他界した場合と場面が異なりますので、ご注意ください)。

 「法定相続一覧図」は、被相続人お一人ごとに作成しなければならないこととされていますので、数次相続が発生している場合に1通の「法定相続一覧図」にまとめることは認められません。したがってこの場合は、亡くなられた人ごとに「法定相続一覧図」を別個に作成する必要がある点にご注意ください。

 なお、一次相続の相続人に二次相続が発生していても、死亡した相続人の死亡年月日を記載した法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出はできません。これは、法定相続情報一覧図は、戸籍等の記載から判明する、被相続人の死亡時点における同順位の相続人(の氏名、生年月日、続柄)を表すものだからです。

注)
 一次相続の相続人に二次相続が発生している場合、死亡した相続人の死亡年月日を記載することができるかどうか明かではありませんでしたが、法定相続情報一覧図は被相続人が死亡した時点の相続人が誰であるかを証明するものであることから、その後に発生した二次相続は法定相続情報証明の制度上、一覧図に記載すべきではないという考え方が実務上明らかになってきました。従前は、回答の中で、死亡した相続人の死亡年月日の記載も可能との考え方を示していましたので、これを修正しました。 

会員専用ページに「相続登記完了後の金融機関への案内用」の書式を掲載しました。

作者:父母会会長
形式:doc
相続登記をした物件に住宅ローンを担保するための抵当権が設定されているケースは多いです。その多くは団信により完済されており、抹消登記をしなければなりません。
また、住宅ローンを利用している金融機関には被相続人の預金口座もあるでしょうから、この解約・払戻しのために法定相続情報一覧図が利用できます。
この案内の際に、ついでに会の無料説明会も案内できないかと思い、起案してみました。
皆さんで使ってもらえると、説明会のオーダー数も激増するかも!
ゲリラ作戦にご協力ください!!

会員専用ページはこちらからどうぞ!

とぴあ浜松農協で法定相続情報証明を使って貯金解約第1号

 浜松市を拠点とする「とぴあ浜松農業協同組合」に法定相続情報証明を提出して貯金の解約・払戻し、出資の脱退、共済の解約手続きをして
きました。
 とぴあでは、第1号だそうです。

 おそらく、農協関係はどこでも受理されると思いますので、ご活用ください!

書式集のページに「一覧図例(兄弟姉妹)」を追加しました。

作者:中里@旭山
形式:doc
兄弟姉妹が相続人である場合の法定相続情報一覧図例です。法定相続情報一覧図の作成方法が、従来相続登記などのために作成していた相続関係説明図とは大きく異なることがよくわかる作品です。中日ドラゴンズとは全く関係のない一品です。

かんぽ生命も法定相続情報証明で対応可能とのことです

一昨日、ゆうちょ銀行の情報をご報告しましたが、郵便局には「かんぽ生命」もありますね。
問い合わせてみたところ、こちらも貯金と同様、法定相続情報証明で対応可能とのことです。

さて、スタートから1週間が経過しました。

静岡県内の利用状況はわずか20件あまりのようです。

せっかくの新制度です。相続実務に携わる皆さん、意識的に利用していきましょう!

ゆうちょ銀行では貯金の払戻しについて法定相続情報証明だけで対応可能という内部通知が出ているようです

法定相続情報証明が動き出しました。
皆さん、もうすでに現物を目にしましたか?
私は2件分の申請をし、1件は不動産の相続登記手続きに使用しました。
もう1件は、近く、農協の貯金払戻し請求に使用する予定です。

 ところで、金融機関の窓口に法定相続情報証明を提出した際に、実際にこの書面だけで、つまり戸籍一式を提出せずに相続手続きを進めてもらえるのかどうかについては、若干の疑問もあります。
 法定相続情報証明は戸籍一式に代わる公文書ですので、重ねて戸籍一式を提出する必要はないわけですが、新制度が金融機関内部でどれだけ周知徹底されているのかは、一つひとつ手続きを重ねながら確認し、あるいは啓蒙していく必要がありそうです。

 そんな中、ゆうちょ銀行では、貯金の払戻しについて法定相続情報証明だけで対応可能という趣旨の内部通知がすでに発せられたとのことです。
 本日、遺言執行の手続きを担当してくれたゆうちょの職員さんから直接聞いた情報ですので、間違いありません。

 新制度が浸透するためには、私たちが積極的に法定相続情報証明を活用していく姿勢も必要だと思います。みなさん、どんどん申出をしていきましょう!

「司法書士法人が法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出を代理する場合、法人でない司法書士が代理する場合に比べて添付書類に違いはありますか」に回答しました。

司法書士法人が法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出を代理する場合、法人でない司法書士が代理する場合に比べて添付書類に違いはありますか

 法人でない司法書士が法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出を代理する場合、所属する司法書士会が発行する身分証明書の写しを提出する必要がありますが、司法書士法人が代理する場合は、法務局が発行する司法書士法人の代表者の資格を証する書面を提出が求められ、この場合には代表者である司法書士の身分証明書の写しの提出は求められません。
 これら資格を証する書面は、原本還付請求の対象となります。

 また、司法書士法人の主たる事務所を管轄する法務局が、法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出をしようとする法務局と同一である場合でも、資格を証する書面の提出は省略できません。

 なお、不動産登記の申請のように、司法書士法人の会社法人等番号を申出書に記載したとしても代表者の資格を証する書面の提出は省略できませんので、ご注意ください。

「法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出を司法書士に委任する際に法務局に提出した委任状は、原本の返却を受けることができますか? 委任状の記載内容よって取扱いは異なりますか?」に回答しました。

法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出を司法書士に委任する際に法務局に提出した委任状は、原本の返却を受けることができますか? 委任状の記載内容よって取扱いは異なりますか?

  記載内容を問わず、原本の返却を受けることが可能です。

 あらかじめ委任状の写しを用意し、写しには代理人である司法書士が「原本と相違ない」と記載して署名または記名押印し、委任状の原本と写しの双方を申出書に添付してください。

 なお、不動産登記申請の場合、他の登記申請に関する委任事項を含んでいるなど原本の返却を受ける必要がある場合に限って原本還付申請が可能とされていますが、法定相続情報一覧図の保管及び写しの交付申出に関する委任状についてはこのような規定はありませんので、記載内容を問わず原本の返却が受けられます。

(文責 中里 功)