公益目的の法人に寄付をする遺言書を作成しましたが、やはり寄付を止めて子供に全財産を残したいと考えております。この場合、どうすればいいのでしょうか

公益目的の法人に寄付をする遺言書を作成しましたが、やはり寄付を止めて子供に全財産を残したいと考えております。この場合、どうすればいいのでしょうか

 民法では、前の遺言と後の遺言が抵触するとき又は、遺言を遺言後の生前処分その他の法律行為が抵触するときは、その抵触するする部分について、遺言の撤回があったものと擬制(みなされます)しています(民法1023条)。

 遺言は、遺言者の最終意思を尊重するものですから、この場合、新たに子供に財産を相続させる旨の遺言書を作成すれば、後の遺言として優先されます。

 また、財産を子供に生前贈与した場合も、遺言と抵触する法律行為として、遺言は撤回されたものと擬制されます。

遺産分割はどのように行ったらいいのでしょうか

遺産分割はどのように行ったらいいのでしょうか

 「遺産分割」とは、相続人が複数いる場合に、その相続財産は最終的に共同相続人の誰が取得するのかを確定させることをいいます。そして、遺産分割の方法は、大きく分けて次の3つの方法があります。

1 指定分割
  遺言により分割方法の指定があった場合にそれに従って分割する方法。

2 協議分割
  共同相続人の間で協議により遺産分割を決定すること。

3 調停分割・審判分割
  遺言もなく、協議によっても分割の合意ができないときに、家庭裁判所の調停・審判手続きにより分割を行うこと。

 具体的な遺産分割のやり方ですが、実際に遺産分割によって相続財産を分ける場合は、下記のような方法で行なうことになります。

1 現物分割
  個々の財産の形や性質を変えることなく分割する方法です。遺産分割では、まず現物分割できないかを検討します。

2 代償分割
  一部の相続人に法定相続分を超える額の財産(たとえば、不動産)を取得させる代わりに、他の相続人に対する債務(たとえば、代償金支払債務)を負担させる方法です。審判では、代償分割が認められる「特別の事由」がある場合に、代償分割をすることになります。この「特別な事由」とは、たとえば、現物分割ができない場合や、不適当な場合をいいます。また、代償分割は、一部の相続人が他の相続人に対して債務(代償金支払債務)を負うことになるので、その債務を負うことになる相続人に金銭の支払能力がある(つまり、支払えるお金がある)場合でなければ審判できないとされています。

3 換価分割
  相続財産を売却して現金化し、その現金を相続人に分配する方法です。

父親が自宅不動産と預貯金を残し先月死亡しました。グループホームに入所している母親を含めて遺産分割協議する場合、どのような手続きをしたらいいでしょうか? 相続人は認知症の母親・長男・長女になります。

父親が自宅不動産と預貯金を残し先月死亡しました。グループホームに入所している母親を含めて遺産分割協議する場合、どのような手続きをしたらいいでしょうか? 相続人は認知症の母親・長男・長女になります。

 相続人が認知症のように判断能力が不十分な者を含めて遺産分割協議を行う場合には、家庭裁判所で成年後見制度等を利用することが必要です。母親の後見人には長男又は長女がなるのかという問題がありますが、長男と長女は遺産分割においては母親と利益相反となりますので、特別代理人の選任も必要になります。家庭裁判所からは、原則として財産について法定相続分の確保することを求められます。

 家庭裁判所には遺産分割(案)を提出することも必要ですし、遺産分割が整った後は、相続登記を法務局に申請することも必要となります。また、成年後見制度の利用のきっかけとなった遺産分割が終了しても、後見人としての職務は終了せず、本人である母親が死亡するまで続きます。その間、後見人の財産と本人の財産とを区別して管理しなければならないですし、家庭裁判所への定期的な報告があります。

私は独身のため、お墓を守る方がいません。しかし、私の十三回忌の法事は執り行ってほしいと思います。この場合、どのような方法をとれば、法律上問題なく私の希望が取り入れられるでしょうか

私は独身のため、お墓を守る方がいません。しかし、私の十三回忌の法事は執り行ってほしいと思います。この場合、どのような方法をとれば、法律上問題なく私の希望が取り入れられるでしょうか

 ご相談者には、お墓を守る人がいないということですが、お墓の承継者は、被相続人の指定が最優先となります。お墓などを承継することで、権利とともに次のような義務も負うことになります。

・墓地の管理、墓石の管理や維持、管理料の支払い
・ご先祖の法要
・仏壇の管理等

 まずは、親族などと、お墓の承継者について話し合いをして、お墓の承継者を指定し、合わせて十三回忌の相談もしておくといいでしょう。

「「法定相続情報一覧図が一旦保管された後に相続人の一人が死亡したり、相続人の氏が変わったりした場合に、法定相続情報一覧図の変更をすることはできますか」に回答しました。

「法定相続情報一覧図が一旦保管された後に相続人の一人が死亡したり、相続人の氏が変わったりした場合に、法定相続情報一覧図の変更をすることはできますか

 法定相続情報一覧図の写しは、あくまでも被相続人が死亡した時点での同順位の相続人を表しています。

 一覧図が作成された後、法定相続人の一人が死亡したり、相続人の氏に変更があった場合でも法定相続情報に変更が生じたものとは扱われないため、法定相続情報一覧図の変更をすることはできません。

6月14日、相続寺子屋(NPO法人相続アドバイザー協議会主催)で山本委員がお話をします。

平成29年6月14日 相続寺子屋(NPO法人相続アドバイザー協議会)
『法定相続情報証明のあらまし
   不良資産をどう処理するか? 放棄の可能性や遵法性について』

場所:JR静岡駅ビルパルシェ 7階C会議室
講師:当グループ 山本剛史委員

お問い合わせは、株式会社かわくぼハウスさんまで。電話054-245-1777

「申出人以外の相続人は、再交付の申出をすることができませんか」に回答しました。

申出人以外の相続人は、再交付の申出をすることができませんか

 再交付の申出ができるのは、当初の申出において「申出人」として氏名を記載した方になりますので、申出人以外の相続人は再交付の申出をすることはできません。

 ただし、申出人の相続人は、その者が申出人の相続人であることを証する書面及びその者の本人確認書面を添付して再交付の申出をすることができます。

 尚、申出人が当初の申出をした登記所と同一の登記所に対して、申出人以外の相続人が新たに保管等の申出をすることは可能です。

「法定相続情報一覧図の保管の申出をした時点と法定相続情報一覧図の写しを利用する時点とで,相続に係る事実関係に異動があった場合の取扱いはどのようになりますか」に回答しました。

法定相続情報一覧図の保管の申出をした時点と法定相続情報一覧図の写しを利用する時点とで,相続に係る事実関係に異動があった場合の取扱いはどのようになりますか

 保管の申出より後に、「法定相続情報一覧図の写し」と実際の相続人との間に齟齬が生じてしまう可能性はあります。利用の時点で相続人に変更はないか確認をする必要があります。

例えば、

・相続人が死亡しているケースでは、二次相続が発生していますので、戸籍謄本により記載の相続人が死亡している旨、さらに戸籍謄本により相続人を特定する必要があります。

・相続人が相続放棄をしている場合、相続放棄をした方につき相続放棄申述受理証明書を確認する必要があります。もし相続人全員が相続放棄をしている場合、次順位の相続人が登場しますので、次順位相続人を戸籍謄本で特定する必要があります。

預貯金の解約に関するFAQを追加しました。

 父が亡くなりました。葬儀費用などを支払うために父の預金を下ろそうとしたところ、死亡により凍結したとのことで下ろすことができませんでした。どうすればいいのでしょうか?

 従前の判例では、預貯金等の金銭債権は、遺産分割協議を待つまでもなく、相続開始とともに当然分割され、各相続人に法定相続分に応じて帰属すると判示していました。つまり、相続預金は可分債権とされ、各相続人に当然分割するとされていましたので、各相続人は法定相続分に応じた払戻しを請求することができるとされていました。

  しかし、平成28年最高裁は預貯金も遺産分割の対象となると判断しました。これにより、預金は可分債権ではないとされたため、今後は凍結された口座については遺産分割なしに払戻しを行うことは難しいと考えられます。

預貯金の相続手続きには、一般的に下記のような書類が必要となります。
・預貯金名義書換依頼書(金融機関に備え付けてあります)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書
・被相続人の預金通帳・キャッシュカード

 金融機関により多少内容は異なりますが、おおむね上記のような書類が必要となります。

 預貯金名義書換依頼書には相続人全員の署名・実印が必要ですが、遺産分割協議書において預貯金の帰属が決められている場合は、取得する方のみの署名・捺印で手続きができます。
 戸籍謄本等、印鑑証明書、遺産分割協議書は他の金融機関でも使用しますので、原本を還付してもらいましょう。

 手続きにはある程度時間がかかります。混みあう時間帯は避け、予め金融機関に手続きに伺う旨連絡しておくことも勧めします。また、金融機関により多少記載方法等異なりますので、詳細につきましては窓口で確認が必要です。