父が多額の借金を抱えて亡くなりました。私も生活がありますので、相続放棄をしました。この場合、お墓を継ぐこともできなくなるのでしょうか

父が多額の借金を抱えて亡くなりました。私も生活がありますので、相続放棄をしました。この場合、お墓を継ぐこともできなくなるのでしょうか

  お墓を継ぐことはできます。相続放棄により消滅する相続財産(プラスの財産とマイナスの財産)には祭祀財産は含まれません。そのため、相続放棄をされたことが、お墓を継ぐ権利を放棄したことにはならないため、お墓を継ぐことは可能となります。

裏読みすれば、相続財産管理人も法定相続情報一覧図の保管等の申出をすることができる!

〔要旨〕相続財産管理人が法定相続情報一覧図の保管等の申出をする場合は、申出書上の申出人の表示は,「亡○○○○相続財産」とし,代理人の表示は,相続財産管理人であることを記載する。また,法定相続情報一覧図上は、作成者を「亡○○○○相続財産管理人(申出人)」と記載する。


 被相続人(便宜,登記太郎とする。)の姉(便宜,登記花子とする。)が唯一の相続人であったが,その後,姉も死亡し,相続人のあることが明らかでなくなったことから相続財産法人が成立し,相続財産管理人が選任(民法(明治29年法律第89号)第952条) された場合において, 当該管理人が被相続人登記太郎の法定相続情報一覧図に係る保管等の申出をするときは, 申出書等の記載としては, 申出書上の申出人の表示は「亡登記花子相続財産」,代理人の表示は相続財産管理人であること,法定相続情報一覧図上は作成者を「亡登記花子相続財産管理人(申出人)」とすることができると考えますが, いかがでしょうか。


 御意見のとおりと考えます。

(出典 登記研究834号 質疑応答)

びっくり! 相続登記の促進のための登録免許税の特例

法務省から平成3 0 年度税制改正(租税特別措置)要望事項が出されていることがわかりました。

【制度の概要】
いわゆる相続登記が未了となっている土地の発生については,その要因の一つとして相続登記に係る費用の負担が指摘されている。このため,相続登記に係る登録免許税について特例措置を設けることで相続登記を促進する。

【要望の内容】
措置の内容:次の適用要件に係る所有権に関する登記の申請について,登録免許税を免除する。
適用要件:
①相続発生から30年以上経過している土地に関して当該相続を起因とした登記を申請した場合に,当該所有権についての相続登記にかかる登録免許税の免除
②課税標準額が一筆当たり20万円以下の土地に関して相続を起因とした登記を申請した場合に,その登録免許税を免除
【関係条文】
登録免許税法(昭和42年法律第35号)第9条 別表第1

要望事項はこちら

私は独身のため、お墓を守る方がいません。しかし、私の十三回忌の法事は執り行ってほしいと思います。この場合、どのような方法をとれば、法律上問題なく私の希望が取り入れられるでしょうか

私は独身のため、お墓を守る方がいません。しかし、私の十三回忌の法事は執り行ってほしいと思います。この場合、どのような方法をとれば、法律上問題なく私の希望が取り入れられるでしょうか

 ご相談者には、お墓を守る人がいないということですが、お墓の承継者は、被相続人の指定が最優先となります。お墓などを承継することで、権利とともに次のような義務も負うことになります。

・墓地の管理、墓石の管理や維持、管理料の支払い
・ご先祖の法要
・仏壇の管理等

 まずは、親族などと、お墓の承継者について話し合いをして、お墓の承継者を指定し、合わせて十三回忌の相談もしておくといいでしょう。

親が亡くなり、子供は私一人なので、お墓を承継しましたが、親族つきあいも面倒なので、三回忌等を行いたくありません。親族から、いろいろ言われてますが、法律上行わなければいけないのでしょうか

親が亡くなり、子供は私一人なので、お墓を承継しましたが、親族つきあいも面倒なので、三回忌等を行いたくありません。親族から、いろいろ言われてますが、法律上行わなければいけないのでしょうか

「法要」は、仏壇やお墓を前に僧侶を迎えて供養を行うことを言います。宗派により法要のやり方は異なりますが、これは宗教上の慣習であり法律上の義務ではありません。

墓前等で僧侶が読経を行う際に、参列者は誰にするのか、会食の席を設けるか等は、法要の主たる祭儀承継者の判断で決めることができます。菩提寺の僧侶と相談しながら、法要の内容を決めていけばよいでしょう。

父が亡くなりました。相続人は、母と長男である私と妹の長女です。誰が祭祀承継者ですか

父が亡くなりました。相続人は、母と長男である私と妹の長女です。誰が祭祀承継者ですか

 祭祀を主催する者が原則として祭祀継承者として決定されます。法律上、誰が祭祀継承者となるという指定はされていないため、相続人間で話し合い、決定します。

 故人の遺言書や、生前に祭祀継承者としての指名があった場合は、その者が祭祀継承者となるのがふさわしいでしょう。なお、指名がなされなかった場合、一族の慣習や、その地域の慣習により相続人間で相談し、祭祀継承者を決定することも可能です。

 また、故人による指名もなく、話がまとまらない場合は相続人の方が家庭裁判所の審判により、判断をして頂くことが最終的な決定方法となります。

父が亡くなりました。相続人は長男の私と二男です。祭祀承継者は長男である私と取り決めたため、私がお墓を建立しました。私と二男で遺産分割をする際、お墓の建立代金は相続財産で負担するものと考え、多めに相続財産の分配を要求しましたが、二男は拒否しました。お墓の建立代金は誰が負担すべきなのでしょうか

父が亡くなりました。相続人は長男の私と二男です。祭祀承継者は長男である私と取り決めたため、私がお墓を建立しました。私と二男で遺産分割をする際、お墓の建立代金は相続財産で負担するものと考え、多めに相続財産の分配を要求しましたが、二男は拒否しました。お墓の建立代金は誰が負担すべきなのでしょうか

 お墓を建立した、ということはお父様の遺骨を納めるためだと思われます。遺骨についての所有権は祭祀承継者にあると考えられていますので、どのように管理するかは祭祀承継者であるあなたに委ねられます。祭祀承継者であるあなたが、納骨のためにお墓を建立することを考え、代金については弟さんと話し合いをして、お互いが納得する割合で負担するということも考えられます。弟さんが納得しない場合には、あなたが負担せざるを得ないでしょう。

お墓を誰が継ぐのか、まとまりません。この場合、相続人の共有にすることはできますか

お墓を誰が継ぐのか、まとまりません。この場合、相続人の共有にすることはできますか

お墓は、祭祀財産として相続財産から外され、特定の者が承継することになっています。承継の順位は民法第897条で決められており、第一順位に被相続人の指定した人、指定がなければ習慣に従って決め、習慣が明らかでないときは、家庭裁判所が決めることになっています。

 一般に祭祀の承継者は一人に限られるべきであるが、事情によって共同承継を認めている事例もあります。

 祭祀財産の承継者の指定申立事件において、被相続人と当事者の生活関係、祭具の管理状況、当事者の対立状況等によれば、祭祀財産の承継者を各別に指定することもやむを得ないとして、祭具の承継者を申立人とし、墳墓の承継者を相手方と定めた(奈良家審平成13年6月14日家月53巻12号82頁)。

 祭祀承継者は一人であるべきところ、被相続人との特別な事情を考慮して、祭祀用財産の一部を被相続人の前妻の子に、一部を後妻に指定する審判がなされた場合、後妻を指定したことは、結婚以来40年以上にわたり、被相続人と生活をともにして支えていたことや被相続人が後妻名義とした土地に被相続人とともに27年間にわたり居住し、仏壇仏具位牌は後妻名義の被相続人の自宅に置かれていること等の当人と被相続人との関係、当人の祭祀主宰の意思や能力あるいは関係者の意向等の諸事情に照らし、相続人の中で被相続人と共同生活を最も親密に送った者として承継者に相応しいと考えられることから相当であり、被相続人の前妻の子と後妻とを指定する審判は是認される(東京高決平成6年8月19日判時1584号112頁)。

 墓地の所有形態が甲、乙の共有であつて、両家の祖先が埋葬され、「甲、乙両家の墓」として代々祭祀が行われ、管理されてきたこと等の特別の事情がある場合には、祭祀財産を共同して承継するものとして承継者を共同指定することも差し支えない(仙台家審昭和54年12月25日家月32巻8号98頁)。

 一般的には系譜、祭具および墳墓の承継者は一人に限られるが、特別の事情があるときは、これらを分けて指定しても差支えない(東京家審昭和42年10月12日家月20巻6号55頁)。

 したがって、特別な事情があれば、相続人が共同で祭祀を承継することが認められる場合があると思われます。

「私は祭祀承継者ですが、墓仕舞いを考え、親戚の相談したところ、強く反対されました。墓仕舞いは、私の一存で決めることはできないのでしょうか」に回答しました

私は祭祀承継者ですが、墓仕舞いを考え、親戚の相談したところ、強く反対されました。墓仕舞いは、私の一存で決めることはできないのでしょうか

 墳墓等の祭祀財産は祭祀の主宰者が承継しますので、手続き上は貴方の一存でも不可能ではないと思われます。しかし、お墓に対しては親戚の方々にも思い入れはあるでしょうから、その意見を無視して手続きを進めることはお勧めできません。

 お墓の管理をし易くするため貴方の居住地近くの寺院への改葬を検討されているのか、後々の管理負担のない合祀墓(永代供養墓)を検討されているのかによっても、墓仕舞いに対する印象は異なります。まずは皆様でよく話し合いをなさって、場合によっては祭祀の主宰者を変更するなども視野に入れてはいかがでしょうか。