相続人のためのFAQ

こんな時、どうすればいいでしょうか?
 いざという時に預金を現金化すべきか、入院費や葬儀費用の支払いは誰がすべきか、預金の解約はどうすればいいか、遺産分割はどうゆやればいいか、相続放棄の方法がわからない・・・・・・。一生のうちに幾度もない相続手続きだからこそ、適切なアドバイスが必要となります。

※本ページの情報は随時更新しています。したがって、後日、現在掲示している説明を修正して異なる見解を公示する可能性があることをご了解ください。

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遺言について

 

公共のために寄附したい

  • 私には身寄りもないので、遺産はなにか公共のために役立ててもらいたいと考えています。遺言も遺しておこうと思いますが、具体的にどのような団体に寄付をすればよいのか分かりません。確実に寄付ができるようにするには、どのようにすればよいでしょうか

     遺言に具体的な寄付先が特定できればよいのですが、ご質問のようなケースでは遺言執行者を指定しておき、具体的な寄付先を遺言執行者に委ねる方法も一つの方法です。

    平成5年1月19日の最高裁判例は、「すべてを公共に寄与する」と書かれていた遺言の有効性が争われた裁判例でしたが、寄付先が特定されていない点について裁判所は「遺言執行者が受遺者(筆者注・寄付先のこと)として特定の者を選定することをゆだねる趣旨を含む」と判断しました。

     つまり、どこへ寄付するのかは遺言執行者が決めればよいという意味ですね。

     なお、遺言執行者が実際に職務を行うに際しては法律の規定にしたがう必要がありますので、司法書士のような法律の専門家を指定しておくべきです。

     また、「公益財団法人ふじのくに未来財団」のような団体を寄付先に指定しておくのも有効な方法のひとつです。この財団は実際に公益活動に従事している複数のNPO法人と提携関係にあり、公益目的で寄付を受けた財産を、寄付者の希望や目的に適う活動を進めるNPO法人に助成することで、その活動を支援することに取り組んでいる団体です。

     したがって、この財団を寄付先に指定しておけば、具体的な運用はすべて財団が担ってくれることになるわけです。

     詳しくは、同財団のウェブサイトをご参照ください。

    (文責 中里 功)

     

     

  • 公益目的で財産を寄付したいのですが、遺言書はどのように作成したらいいのでしょうか

     公益目的をもった活動をしている個人や団体への寄付(法律用語では遺贈)をすることは可能ですが、以下に注意点を挙げておきます。

    ①できるだけ公正証書遺言で作成しましょう

     遺言には、主に全文を自筆する自筆証書遺言と公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。自筆証書遺言は遺言者だけで作成することができ費用がかからないというメリットがありますが、民法に定める方式を逸脱すると無効になってしまう場合もあります。また、自分だけで作成したために遺言の保管場所が分からず、せっかく作成した遺言が実行されないという事態もあり得ます。さらに、遺言者が死亡した後、家庭裁判所で検認という手続を行う必要があります。

     一方、公正証書遺言は、専門家である公証人が作成しますから遺言が無効になってしまうことはほとんど考えられませんし、検認手続をすることなく遺言を執行できます。公証人に対する報酬は必要となりますが、遺言は公正証書で作成することをお勧めします。

    ②相続人でない遺言執行者を指定しましょう

     公正証書遺言であれば、通常は公証人から遺言執行者を指定するように勧められますが、自筆証書遺言の場合、遺言執行者が指定されていないことがよくあります。遺言執行者とは、遺言の内容を実現する責務を負った人のことです。自分の最後の意思を確実に実行するために、信頼できる人を遺言執行者に指定しておきましょう。

     特に、遺言が公益目的の団体等に財産を寄付する内容となっている場合は、遺言の実行は相続人にとって相続財産の減少に繋がりますから、相続人任せにしておくとスムーズに遺言が実行されない場合があります。

     以上のような理由から、相続人でない者、できれば法律に詳しい専門家を遺言執行者に指定しておくことをお勧めします。

    ③相手を特定しましょう

     過去の判例によると、「遺産の全部を公共に寄付する」という内容の遺言が認められたケースがあるようです。その場合、遺言執行者が遺言者の意思を慮って寄付先を決めることになります。しかし、一般には、相手先を定めて指定しておくべきです。

     団体であれば、法務局で登記事項証明書を取り寄せ、所在地、代表者、団体の目的などを確認しましょう。個人であれば、住所氏名生年月日を確認できる資料を取り寄せることができれば取り寄せ、遺言に正確に記載するようにしましょう。

     

     

    ④寄付する相手がどのような財産なら受け入れるのか事前に調査しましょう

     公益目的の個人や団体の中には、換価処分が困難な不動産の寄付は受け付けないところもあります。事前に、その団体がどのような財産なら寄付を受け付けるか、確認しておきましょう。不動産の寄付を受け付けず換価処分をして現金として寄付する必要があるのなら、遺言の中で遺言執行者に換価処分の権限を与えておく必要があります。

    (文責 井上尚人)

  • 父親が、公益目的の法人への寄付をする遺言書をのこしたいと言っております。公証人役場では認知症になると遺言書の作成が出来ないと聞きましたが本当でしょうか

     認知症と一口に言っても色々な段階がありますので、軽度の認知症であれば通常の方式(公証人の面前で口授・証人2名の立会い)で公正証書遺言を作成することも可能です。本人の判断能力について医師の診断書を取得したうえで、公証役場に相談してみると良いでしょう。

     認知症の症状が進んでいて本人が成年被後見人であった場合でも、判断能力が一時回復する時があるような方でしたら、判断能力が回復した時に医師2人以上の立会いにより遺言書を作成するという方式(民法973条)もありますので、こうした方式についても公証役場と相談してみたら良いでしょう。

    (文責 花田眞吾)

  • 公益目的の法人に寄付をする遺言書を作成しましたが、やはり寄付を止めて子供に全財産を残したいと考えております。この場合、どうすればいいのでしょうか

     民法では、前の遺言と後の遺言が抵触するとき又は、遺言を遺言後の生前処分その他の法律行為が抵触するときは、その抵触するする部分について、遺言の撤回があったものと擬制(みなされます)しています(民法1023条)。

     遺言は、遺言者の最終意思を尊重するものですから、この場合、新たに子供に財産を相続させる旨の遺言書を作成すれば、後の遺言として優先されます。

     また、財産を子供に生前贈与した場合も、遺言と抵触する法律行為として、遺言は撤回されたものと擬制されます。

    (文責 山本剛史)

  • 公益目的の法人に寄付をする遺言書を作成したいと思います。知人から遺留分について注意するように言われましたが、遺留分とは何ですか

     遺留分とは、民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる権利のことをいいます。

     原則として、ご自分の財産は遺言によって自由に処分することができますし、その意思は尊重されるべきです。そのため、寄付先を決めたうえで「財産をすべて公益法人社団○○に寄付する」とする内容の遺言を作成することは問題ありません。

     しかし、その内容の遺言で相続人であるご家族の生活が不安定になってしまう様であれば、ご家族としても何かしらの主張をしたいところです。そこで民法は相続人が最低限相続できる権利を遺留分として保証しています。

     遺留分が保証されている相続人は、配偶者、子供、父母(直系尊属)です。兄弟姉妹は、亡くなられた方と経済的な結びつきが弱いことから遺留分がありません。

     遺留分として請求できるのは、配偶者や子供が法定相続人にいる場合は相続財産の2分の1、法定相続人が直系尊属だけの場合は、相続財産の3分の1になります。遺留分を確保するためには、遺言書により財産を相続した人に、「遺留分減殺請求」をする必要があります。さらに、「遺留分減殺請求」の権利は、相続開始、および自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年行使しない場合、または相続開始から10年経過すると時効によって消滅し行使できなくなります。

    (文責 島 武志)

  • 公益目的で財産の寄付を考えていますが、財産に不動産があります。注意することはありますか

     個人が、土地・建物など不動産を法人に寄附した場合、その不動産は寄附時の時価で譲渡があったものとみなされ、取得時から寄附時までの値上がり益に対して譲渡人に譲渡所得税(みなし譲渡所得税)が課税されます(所得税法第59条第1項第1号)。

     しかし、公益法人等(非課税制度の対象となる公益法人等とは、公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人(法人税法に掲げる一定の要件を満たす法人)及びその他の公益を目的して事業を行う法人(社会福祉法人、学校法人、更生保護法人、宗教法人、特定非営利活動法人など))に寄附した場合において、一定の条件(その寄附が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することなど)を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたときは、みなし譲渡所得税が非課税とする制度が設けられています(租税特別措置法第40条)。

     国税庁長官の承認を受けるためには、以下のすべての要件を満たす寄附でなければなりません。

    ・寄附が教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。
    ・寄附財産が、その寄附日から2年以内に寄附を受けた法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること。
    ・寄附により寄附した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附した人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないこと。

     非課税承認後であっても、承認要件に該当しなくなった場合には、国税庁長官は、いつでもその承認を取り消すことができることとされています。

     この国税庁長官の承認を受けようとする人は、「租税特別措置法第40条の規定による承認申請書」を、寄附日から4か月以内に寄附した人の所得税の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

     より詳細を知りたい方は国税庁HPを参照してください。

    (文責 川端満秋)

  • 公益目的で財産の寄付を考えていますが、財産に有価証券があります。注意することはありますか

     個人が、株式などの有価証券といった財産を法人に寄附した場合、不動産の場合と同様、みなし譲渡所得税が課税されます(所得税法第59条第1項第1号)。具体的な内容は、こちらのページを参照してください。

 

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